子供たちへの原子力という大惨事の説明

ACRO
138, rue de l’Eglise
14200 Hérouville St Clair
France
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よく知られているように、電気を作るためにいちばんよく使われる方法は、自転車のライトの発電機のように磁石を回転させるというものです。例えば風の力を使う発電や山から流れる水を使う発電の場合も(つまり風力発電と水力発電)その同じ方法を使っています。

しかし、自然の水と空気を使えない場合にはどうやって磁石を回転させる事ができるのでしょうか?そういう時には熱を使います。圧力鍋を使って水を沸かす時 に速いスピードで出てくる蒸気の力でプロペラを回す事ができます。その回っているプロペラが磁石を回転させて電気を作る事ができます。

電気を作るための熱を得るために、木、ガス、ガソリンを燃やしてお湯を沸かすという方法があります。または、、、原子力発電所を使うという方法もあります。
お湯を沸かすために原子力を使うという方法は一番複雑なやり方です。
さらに、それは日本人が身をもって経験したように一番危険な方法です。

なぜ危険なのでしょうか?原子力発電所の中でウランと呼ばれている自然の中で一番重い原子を2つに分裂するからです。(「子供たちのための原子力の説明」 を見て下さい)このウランという原子の分裂が信じられないくらいたくさんの熱を出します。しかし、分裂して小さくなったその2つのかけらは放射線を出しま す。なので、それらから身を守らないといけません。

そのために金属製のさやの中にウランを閉じ込めています。その放射線を出す原子が水の中に行かないように。
でも実際には放射能が少しも水の中に行かないようにする事はできません。なので、水は放射能で汚染されてしまいます。可能な限り最小限の放出となるよう試みているだけです。

福島で起きた大惨事の根本的な原因は原子力発電所が停止されてもウランの燃料棒からそのあとにもずっと出ている熱です。

だから、絶対にその燃料棒を冷やさないといけません。そうしなければ金属が溶けてしまい、放射能が水に溶けてその水自体が汚染されて大変危険になります。 そうならないように燃料棒を冷やすための水と、熱くなった水を吸い上げて冷やしてまた圧力鍋の中に戻すためのポンプが必要です。このポンプを動かすために は電気が必要です。

福島で運転していた原子炉は地震の後に自動的に止まりました。その時に原子力発電所は電気を作らなくなりました。さらに悪い事に、外から電気を運ぶはず だった電線が切れました。電気が無ければポンプは意味がありません。水の循環ができなくなったらウランの燃料棒がだんだん熱くなります。

その場合を考えて電気を作り出す非常用のエンジンが設置されています。その場合には電気を作る磁石を回すエンジンを運転するために石油が使われています。 そのエンジンにより作られる電気が原子力発電所を冷やすポンプを動かします。これらの機械はすべてつながっているので、どこか1カ所でも壊れると問題が次 から次へ起こります。

福島で起こった事はまさにそれでした。地震が起きてから1時間以内に原子力発電所の敷地を水浸しにして、日本の海岸を荒らした津波が非常用のエンジンの停止を引き起こしました。その場合の電気を提供する非常用のバッテリーがありますが、それは長持ちしません。

それに加えて福島では地震が配管に損害を与え、発電所を冷やすための水が早くも不足しました。なので、配管を修理するまでに海水が使われました。

もしも燃料が熱くなれば、水は沸騰しだします。そして圧力鍋の中の圧力が上がり、温度も上がります。
温度が300度に達すると、配管つなぎ目のどこかが持ちこたえられなくなります。そうすると水がもれ始めます。

未だに何が起こったのか全部の事が判っているわけではありませんが、地震が発電所の原子炉に損害を与えて、水のもれを引き起こした可能性が高いです。
水が蒸発した時に、4メートルの長さのウランの燃料棒の水の上に頭を出した部分がより熱くなります。燃料棒の金属にひびが入って、小さな放射性の原子が放 出されます。水の放射能汚染度がすごく高くなります。空気も同じです。それが福島第一原子力発電所の1号機でほんの3時間してから始まったようです。

水の上に頭を出した燃料棒の金属のさやのところに化学反応が起きて爆発しやすい水素が発生します。発電所所有者の東京電力の評価によると1号機の中に水素 800キログラムができてしまいました。地震のほんの24時間後に1号機の建屋が激しい水素爆発によりかなり破壊されました。結果的に全てで4つの原子炉 で爆発が起きました。

原子炉の中の水はものすごく放射能で汚染されて、その水のもれによって建物全部が大変な放射能汚染を浴びるということをいま上に述べました。そうなると人間が現場に近づけなくなります。地下も水浸しになっているので、回復した電気をつなぐ事ができません。

水が蒸発し続けて圧力鍋の中の圧力が高くなり、圧力鍋自体を破裂させる可能性があります。それを避けるためにガスを放出させなければなりません。そのガスは風によって運ばれ、広い範囲を汚染しました。人は汚染されたところから離れなければいけません。

原子炉の中の水がいったん無くなると、温度が3000度近くまで上がる可能性があります。燃料棒が溶けて、金属の容器の底に落ちて、底に穴を開ける可能性があります。そうするとさらに容器の下に流れて行きます。それは「メルトダウン」と呼ばれます。

福島第一原発の1号機では16時間足らずでメルトダウンが起きました。誰もメルトダウンを防ぐ事ができませんでした。メルトダウンは2号機、3号機でも起きて、その2号機、3号機は極めて悪い状態です。厚さ16センチの金属の容器にはおそらく穴があいています。

放射能が外に出ないようにするために圧力鍋が鉄筋コンクリート製の金庫のようなものに囲まれています。それが放射能汚染が極めて高い溶けた燃料と外の世界 の間の最後の障壁です。しかしこの障壁じたいにひびも入り、穴もあいていて、そうして放射能汚染が極めて高い水が漏れます。その水で地下が水浸しになって 海にあふれ出ます。2号機、3号機の場合はその水がすでにあふれ出て海がとても汚染されています。

容器の底に残った、溶けた燃料に関しては常に冷やし続けなければいけません。東京電力は最初の段階で消防車を使って水を注入しました。そのあとに一般のポンプを使いましたが、注入された水が地下のほうに漏れました。そういうやり方で問題を解決出来っこありません。

つまりメルトダウンのあとに絶対に外に漏れない圧力鍋の状態からポトポトとコーヒーを落とすコーヒーメーカーのような状態になりました。そのポトポト落ち るコーヒーがいま一番大きな問題になっています。地下に漏れた汚染水の量はすでに12万トン、または12万立方メートルに達しています。

東京電力は汚染された地下の水をろ過して、海に漏らさずにその水を原子炉の中にもう一度戻すために外国の企業の助けを頼りにして浄化装置を作りました。そして、わずかな時間で「閉じられた回路で」原子炉を冷やす事に成功したとホラを吹きました。

こんな状態の中で閉じられた回路という言葉を使うのはでたらめです。注入された水が地下にもれ続けるのでその水をポンプで吸い上げなければいけません。こ の水の一部は蒸発し、環境汚染を続けます。また、その水の一部は土の中にしみこんでゆきます。この行程を何年にも渡って続けなければいけません。なぜなら 穴をふさぐために近づく事、漏れを止める事が不可能だからです。その理由は放射能汚染が高すぎるからです。その汚染された水が遠いところまで広がらないよ うに東京電力は発電所を囲む大きな壁を地下に作りたいのです。この壁は地下の岩盤まで届く大きな壁です。

でも、問題はそれだけではありません。原子力発電所から出る燃料が何年にも渡って熱を出し続けます。そのためにその燃料を一時的に常に冷やさなければないプールの中に入れておきます。それぞれの原子炉ごとに一つずつプールがあります。

地震と津波のあとに福島第一原子力発電所の3つの原子炉のプールを冷やせなくなりました。そうして原子炉と同じぐらい危険、または原子炉よりも危険になり ました。というのはプールは原子炉と違ってバリアで囲まれていないからです。しかし、プールの中の燃料は原子炉の中の燃料よりも古いのでそれほど熱を出し ていないので、水の蒸発は原子炉よりもより遅いです。しかし4号機のプールの場合には事情が違います。そのプールが古い燃料と原子炉から取り出されたばか りのとても熱い使用済み燃料でいっぱいだったからです。
この4号機のプールのすぐ近くで水素爆発と火事が起こりました。その火事が最悪の大惨事に至るということが心配されました。しかしその後、東京電力がプールの中の映像を撮る事ができました。それによると燃料が溶けなかったように見えました。

8月のはじめにこの6つのプールが冷やされました。1、2、3、4号機のプールに関しては東京電力は新しい冷却システムを設置しなければいけませんでした。

地震が起きた時に5、6号機は停止していました。その5、6号機の燃料の一部分がそれぞれのプールの中に入れてありました。ディーゼル発電機が早く働いてその冷却ができました。5、6号機はそれほどの問題を含んでいないようです。

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